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クーロンフォトコンテストへのご応募、ありがとうございました!
総合的な審査の結果、次の3点+2点を入賞とさせていただきます。
お寄せいただいた作品、どれも「陰界愛」に溢れており、甲乙つけがたい作品ばかりでした。
そのため、今回、選考フィルターとして光明路の不動産屋の看板という設定を用意しました。
ダンジョン内で映える「看板作品」として選定することになりました。
一方、予定していたデジタルサイン化は見送りました。作品のクオリティを保てるとの判断によるものです。
ご了承のほど、よろしくお願いします。
【金賞】
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喜タ海@kitami_tai
これはディープだ。おそらく日本一古いと評判の浅草地下街と思われるが、被写体の向こう側を透視するかのような撮影者の視点がよく現れている。普段は人通りも多い、場末ながらも賑わっている下町の一角が、ふとした瞬間に見せるもうひとつの顔──歩いて行くと、気づかないうちに陰界へ入ってしまいそうだ。
【銀賞】
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青柳庸介
有機物が時間とともに腐敗していく過程をつぶさに観測するかのような作品だ。存在と不在、その狭間に見え隠れするもう一つの世界──陰界というのは、そういったところにポッカリと口を開けているのだろう。時の流れを瞬時に止めてカオスを切り取ったような場面だと気付かされる。
【銅賞】
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吉川正和
この作品の何よりの魅力は、路地の先、角を曲がろうとしている人物の存在だ。この人物にスーッと引かれるようにして視線に導線が生まれる。これを荒い粒子のモノクロームにすると著名写真賞への応募作品のような風格が生まれるだろう。人間の営みを逃さず捉えた一葉は、まさに写真本来の力を思い知らさせてくれる作品である。
【九龍賞】
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緑翔 ヤモリ
ドキュメンタリーという言葉がよく似合う一点だ。このまま音もなく、浮遊する思念として路地の奥へと漂って行きそうな錯覚にとらわれる。いい塩梅に傾いた構図が、なんとも言えない不安感をそそる。「特別賞」のニュアンスは要するに「そのままクーロン賞」なのである。三角コーンやサインから日本であると思われるが、この空間の圧倒的陰界感はまさにクーロンそのものだ。
【陰界賞】
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kowloon0512
よくも日本でこのアジア型縦型シャッターの場所を──! なんとかしてシャッターの向こう側に身を置きたい、撮影者のそう希求する声が聞こえてきそうだ。パッと見た瞬間、すぐさま視点はシャッターの隙間を通り過ぎ、路地の奥へと漂い始めている。「引かれる」場所は、そのまま「惹かれる」場所である。そして「引かれる」とは、闇の力が作用している磁場であるということだ。
【応募作品】
「不動産屋の看板」にこそならなかったものの、写真としては見ごたえのある作品ばかりです。「陰界を夢想する」というテーマを見通す視点がこんなにもバリエーション豊かだとは驚かされました。応募受付順に寸評を交えてご紹介します。
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仙北屋
冬の夕景のその弱々しい光に、撮影者は陽界の終わりを見出したのかも知れない。次にやってくるのは夜ではなく陰界──そんな視点が感じられる。
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廻ビュラ
ふと沢木耕太郎の『深夜特急』を思い出した。路地から路地へ、何かを求めて渡り歩きながら、滲出して行く自分自身を見つける夜の旅だ。
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望月一葉
まるで『ブレードランナー』の一場面に登場しそうなカットだ。換気扇越しに差し込む光は、深くねっとりとした闇を一段と濃くしていくようだ。
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長野志帆
壁の鳥居は「穢すなかれ」の警告だが、ここまで堂々たる姿に触れると、聖域、つまり魔界へのゲートを強く主張しているように思えてくる。
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由宇木アヤル
かなりカオスな空間だ。廃墟のようでいておそらくは現役の現場──陰界からまるで出島のようにしてここだけ陽界に姿を現したかのようだ。
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三葉
日常的に遭遇する光景ながら、合わせ鏡の中に無限に続く回廊のように、行けども行けども到達できない、そうした虚無的な無力感にさいなまれる光景だ。
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M
フラッシュの感じがなんとも言えない表情を呈している。まるで画面奥から攻め込んできた闇の勢力に押し返されているかのような感覚にとらわれる。
【ゲームへの実装】
入賞作品5点は『クーロンズリゾーム Pilot版』序盤の行動選択画面から取得する路人会話のシーンにムービーとして収録しています。作品ごとに、2回目、3回目、4回目の行動選択画面からご確認いただけます。ムービーの長さは雑感的に3秒程度、フラグが亢進すれば元のダンジョンに戻ります。
ゲーム実装は「Pilot版」のみとなります。後日リリース予定のシナリオが同じ「第1巻」には実装されません。
なお、実装掲出に際して「光明地産」という不動産屋の看板という設定に加工しています。
※作品掲出ムービーは、元からムービー演出のあった場所で行っており、シナリオ進行において冗長な演出にはなっていません。
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画像は行動選択画面のチュートリアル(1回目)です。太極図アイコンから路人台詞が取得できます。
【総評】
フォトコンテストとしてお題にやや難有りだったと自省することしきり。
陰界を感じる=薄暗い画像、ダンジョンに映える=明るい画像──この矛盾が立ちはだかり応募者を悩ませたかもしれない。
とはいえ、それぞれの視点で切り取られた写真は、身近なところにも「入口」はあるのだと改めて実感させられた。
そういえばクーロンリリース時の広告は「入口はどこにでもある。」というコピーだった──
薄暗い路地はいわば都市の中の獣道だ。再開発されたキラキラした街には求め得ない、まるで「必要悪」のような場所。そこには濃厚な残留思念が積層して漂っているに違いない。
KG/Project 木村央志
2023年1月24日
※応募者名は敬称略
※入賞作品以外は応募受付順で表示
※写真の著作権一切はすべて撮影者に帰属
※入賞者名はプロジェクトメンバーとしてエンドロールに記載(KG/Projectは任意団体)
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